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MITOSAYA
mitosaya 薬草園蒸留所
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2018.7.3

ユトレヒトを辞め、ドイツでフルーツブランデー造りを学んだ江口宏志さんが、千葉で蒸留所を開くためのクラウドファンディングを始めたのが1年前。僕は今まで国内のクラウドファンディングを「意識高い系」とか分類して距離を置いていたのに、身近な人が始めると応援したくなるから不思議なもので、2口出資しました。江口さんのプロジェクトはあっという間に成立し、1年後の今、蒸留施設が完成したということでリターンの蒸留所ツアーに参加するために、大型バスで千葉県大多喜町へ。

今回は直行バスが出ていましたが、隣に海洋センターがあり、そこにバス停があるので品川から1時間半ぐらいで行けるみたいです。車で来る人達もいるので、先に着いた人たちは勝手に場内をうろうろ。mitosayaはバブル時代に薬草園としてオープンし、その後役割を終えて閉園した土地を蒸留施設に生まれ変わらせようというプロジェクトで、植物たちは新しく植えたのではなく、そこに残されて自生していたものをそのまま使うことにしたんだそう。

江口さんの挨拶から、この日の「フォーリッジ(採集)」ツアーがスタート。植生計画を担当されている井上隆太郎さんの案内で、場内の食べられる植物をちぎったり嗅いだり食べたり吸ったりしながら歩き回りました。この工程を終えた後は、身の回りの植物を「食べられるのでは…」という目線で見るようになっていて、面白い体験でした。ミントやハーブを使ったお酒のイメージも頭に浮かんできて、飲んでみたくなる。

元々あった東屋を、杉を焼いて壁を作り、二重窓を取り付けた簡易宿泊もできる小屋。江口さんが作ったんだそう。二重窓、普通はガスを入れるのを知らなくて、後から「水取りぞうさん」とかを大量に設置して無理やり除湿しているらしい。

植物を袋に詰め終わったあとは、蒸留施設の中へ。心臓部の蒸留器を見せてもらう。

醸造に使うための大きな木桶。小豆島から運んできたそう。周りのドイツ製アイテムとの対比が面白くて、持ってきたくなった気持ちも分かる(大変だっただろうけど…)。

出来上がったブランデーを貯蔵するための瓶たち。出来上がったときのフレッシュな香りを閉じ込められるよう、あえてのガラス製。

ランチは大好きなchiobenさんでした。久留米でお弁当作りのワークショップして以来で嬉しかった。ドリンクもmitosayaで作られたシロップやハーブを使ったものが振る舞われていて、こちらも美味しかったです。食後には江口さんのパートナー山本祐布子さんと娘さんによるアイスキャンディー屋さんもオープン。

最後に、江口さんが最近始めたという養蜂の様子も見せてもらいました。果物を買ってきて造るのではなく、薬草園に生態系を作り、そこから生まれた植物で造るボタニカルブランデーづくりはとても時間のかかることだと思います(chiobenさんも冗談で「子供の代になるかも」と言われてた)。
でも、帰りに頂いたmitosayaニュースレターに「なかなか出来ないなって思われるのではなく、一緒に大きくなっていく様を楽しんでもらえるような交流を長く続けていきたい」と綴られていたし、これからもこの日のような楽しい交流の場が続いていくんだろうな。

頭の中に全く存在しなかった千葉・大多喜町という場所が、実際に行ってみると少し近くに感じられるようになった気がするし、これからも江口さんとmitosayaの成長とブランデーの完成を、見守っていきたいです。


*写真はSONY α7+CONTAX Planar 50mm f1.4+VSCO Film