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CONCEPT WORK
専門学校でグラフィックデザインを教える(3)〇〇だったらいいのに、のデザイン
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2018.7.25

専門学校でデザインを教える中で、自分が気付いたことや気になったことを記録していくシリーズ。
前回、前々回の記録はこちらです。

◯専門学校でグラフィックデザインを教える(1)展覧会のデザイン
https://taromag.misaquo.org/archives/9963

◯専門学校でグラフィックデザインを教える(2)レトロ印刷で包装紙のデザイン
https://taromag.misaquo.org/archives/10451

前回が「包装紙のデザイン」と比較的分かりやすいテーマだったので、今度は頭を使って考えたり、自分と向き合ってもらうようなテーマが良いなと思い、以下のような課題を出すことにしました。

課題:「〇〇だったらいいのに、のデザイン」

身近な気になること、ちょっとした問題などを30個考え、その中から1つを選び
デザインで良くするための方法をプレゼンしてください。

◯仕様について
・プロジェクターを使ったプレゼンテーションを行ってもらいます。
・良くするためのアイデアの出来、デザイン性、プレゼンテーションの完成度などを総合して評価します。

◯スケジュール
・1週目…(前回の講評終了後)課題説明・アイデア出し
・2週目…30個の気になることチェック
・3週目…進捗チェック
・4週目…プレゼン資料チェック
・5週目…発表

実際の流れ

今回は課題が抽象的だったせいか、発表する内容がすぐに決まる人と決まらない人との差が大きかったように思います。プレッシャーのせいか、発表の当日にも欠席が目立ったのが残念でした。


完成した作品(一例)

学生に掲載許可を取った、プレゼン資料のスクリーンショットの一部を紹介します。ここで紹介するのはビジュアルのあるアイデアですが、そうでないものの中にも面白いアイデアは見受けられました。

2年生の発表から。暗いイメージのある学校をカラフルにしたい、という考えから
こんな教室だったら授業が楽しくなるかも…というイメージスケッチを発表してくれました。
この他にもいくつかのスケッチを用意していてくれて、絵があることでイメージが伝わりやすかったです。

3年生の発表。お酒のアルコール度数の表記が商品によってまちまちなので、「お酒」マークのように統一の表記を考えようというアイデアです。実際に缶に合成した写真も発表してくれて、効果が分かりやすかったです。

こちらも3年生。生理用ナプキンのパッケージが派手すぎて、ドラッグストアで黒い袋に入れられるけどそれが逆に目立ってしまうことが気になったそう。こんなシンプルなパッケージなら白い袋から透けても分かりづらいし、部屋に置いても違和感が無くて良いアイデアですね。

最後も3年生から。洋服に日焼け止めが付いてしまうのを防止するために、肌色のマスキングテープ上のシールを服に貼る、という商品「クロテクト(クロース+プロテクトの略らしい)」。洋服が好きな本人の、ちょっとした不満から生まれた良いアイデアだと思いました。


今回の気付きメモ

・発表前はみんなかなり悩んでいて、課題の設定に失敗したかな…と思っていたけど、実際の発表の日になると、それぞれに個性のある発表をしてくれて、結果としては面白い発表になったと思う。
・良い発表はもちろん良かったけど、そうでない発表については、よく考えればすぐに分かりそうなツッコミ所(アイデアの穴、欠陥)が多いものも見受けられて、直前まで欠席したりアイデアが出てこなかったりする人も居るし、これをどう指導すれば良かったのかは今後の課題。
・結局、本人の素養によるところが大きいものになってしまった気がするので、もう少し自分が結果に影響を与えられるような状況を作る必要がある。というのが反省点。


今、気になっていること

教える内容は講師にお任せ、という学校なので、自分なりに「学生にはこういうことが必要かな?」と考えながら課題を出しているけど、どうしても場当たり的な状況になってしまうのは否めないので、他の学校や大学ではどんなカリキュラムを組んでいるか、興味があります。