
先日、デザイナーの野見山さんと話したときにミランダ・ジュライの話題になって、そのときに出てきた名前がアメリカの小説家、レイモンド・カーヴァー。
ミランダの本を読み終んで面白かったので、読書の習慣を付けようと思っていたことだし、読んでみることにした。
六本松の蔦屋書店に探しに行ったら、一冊だけ置かれていたのが短編集「大聖堂」。
その場でAmazonのレビューやWikipediaを検索して、マスターピース的な一冊であることを確認してから購入(判断するのに情報が必要なタイプ)。
中には12の短編が収められていて、巻末には村上春樹の全話解説が載っているんですが、その語り口が音楽のアルバムのレビューのようで、それがとてもしっくり来た。
この「大聖堂」に収録された作品のタイトルを並べてみると…
1 羽根
2 シェフの家
3 保存されたもの
4 コンパートメント
5 ささやかだけれど、役にたつこと
6 ビタミン
7 注意深く
8 ぼくが電話をかけている場所
9 列車
10 熱
11 轡
12 大聖堂
こんな感じ。
作品数が10前後というのも、音楽っぽさを感じる一因かもしれない。
村上春樹の翻訳ということもあって、村上作品に通じる言い回しや文章の運び方も感じられて
どれも楽しく読んだけど、「ささやかだけれど、役にたつこと」が良かったな。
誕生日に事故で子供を失った夫婦に、誕生日ケーキの注文を受けていたパン職人が、催促の電話をかけてきて…という話。
作品は短編ばかりだし、50歳という若さで亡くなっていて寡作ということもあって、取っ付き易い作家さんだなと思いました。コンプリートするのも難しくなさそうだし、次はタイトルを見て気になった「でぶ」「頼むから静かにしてくれ」あたりが収録されている本を読んでみようかな。