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HAKONE NIGHT MUSEUM
箱根ナイトミュージアム オープニング
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2018.12.6

アートディレクション・デザインを担当した、彫刻の森美術館のライトアップ展示「箱根ナイトミュージアム」が12/1からスタート。撮影に立ち会えることになったので、東京からロマンスカーに乗って箱根に行ってきた。

入り口にはB1サイズのメインビジュアル。ポスターではなく、この場所のために新規にレイアウトした。

チケット売り場にも、ライトアップの時間帯用の料金表を設置。印刷方法や面積の都合で写真が使えない掲示物は、メインビジュアルのライティングに似せたグラデーションを使い、全体の統一感を出すようにした。

事前に行われた「ひかりの実」ワークショップの紹介看板。子どもたちが果実袋に笑顔を描き、中に照明を入れて木に飾るという高橋匡太さんの作品。全国各地で開催されていて、公式サイトでその様子を見ることが出来る。

エスカレーター横の展示紹介看板。「よりみち美術館」も素敵なデザイン。

入場するときに配布するガイドマップには、ナイトミュージアム用のマップも挟み込んで配布。

入り口からエスカレーターを降りたところの地図の隣にも看板を設置。

各作品の隣には専用のキャプションを作って設置した。作っているときには少し文字が多すぎるかも…と思ったけど、空間が広大なのでそれほど気にならなくて良かった。

別の企画の打ち合わせなどを挟みながら、17時前には日が暮れてきた。提灯を持って歩いている人もちらほら。

提灯配布場所の看板もデザインさせてもらった。ピンク色、夜になると視認性が下がったので別の色の方が良かったかもしれない。こういうイベントの掲示物を作るの、メインビジュアルのデザインとはまた違った、サインデザイン的な楽しさがあって好きだ。

16:45にライトアップがスタート。入り口付近の岡本太郎の真っ白な作品『樹人』も光に染まっていく。

この日は初日ということで、今回のライトアップを担当した高橋匡太さんと、主任学芸員の与田美樹さんによるアーティスト・トークが行われた。高橋さんの挨拶から始まって、会場内を解説しながら回っていくことに。

入口付近ではみんなバラバラの色の提灯を持っていたんだけど、彫刻に近づくと…

作品に合わせて一斉に色が変わる!会場を回っていくことで、色の変化も楽しめる、という仕掛けになっていて、参加者からは「おお〜〜」「へえ〜〜」と声が上がった。

エミール・アントワーヌ・ブールデル『雄弁』。ライトアップされることで陰影が強調され、ドラマチックな仕上がりに。

大好きな作品、アギュスタン・カルデナス 『休息する女』。ずっと見ていられる、優しい曲線。

時間と共に色が変化していって、見ていて飽きない。高橋さんもお気に入りなんだそう。

空に浮かぶ球体、井上武吉『My Sky Hole』には、参加者の提灯が写り込んだり。

メインビジュアルに起用した、ジュリアーノ・ヴァンジ『偉大なる物語』。人間、特に男性の人生を描いた作品で、舞台のような作りになっているので照明との相性もバッチリ。ポスターに使われているということもあってか、撮影する人が沢山いて嬉しかった。

白い作品なので、光の影響がダイレクトに現れる。同じ作品でも、色が変わることで別の意味が生まれる変化が面白かった。

昔、ローカルCMにも使われていたことがあり、幼少期の高橋さんのトラウマになったという後藤良二『交叉する空間構造』。黒い男性と赤い女性が交互に手をつなぎ、ダイヤモンドの分子構造を表しているそう。確かに、凄いインパクト。

丘の高い位置からは、会場が一望できた。ライトアップは6分で1周するように出来ていて、全てが同じ色になったり、波のように色が変化したり、全てが別の色になったりとさまざまなパターンがプログラムされている。

アレクサンダー・カルダー『魚の骨』。モビールの仕事でカルダーはかなりリサーチしたので、思い入れのある作品。平面的な形の組み合わせなので、影の付き方もグラフィカルで良かった。

オーギュスト・ロダン『バルザック』。文豪バルザックをモチーフにした作品で、背後の建物の上からスポットライトを当てることで、舞台役者のような印象に仕上がっていた。

ツアーの最後は、エミール・アントワーヌ・ブールデル『弓を引くヘラクレス』。怪鳥を射止めようとしているヘラクレスの力強い様子を象った作品。前から見てももちろん格好いいんだけど、高橋さんのおすすめは裏側。裏に回ると…

粒々とした筋肉のハイライトが強調されて、確かにこれは良い!個人的にも元々逆光が好きで、お気に入りのプラモデルとかを光に透かしてうっとりする趣味があったりしたので、これにはグッと来た。アーティスト・トークには沢山の人が参加してくれたんだけど、大勢で彫刻を裏から見るタイミングもなかなか無いので、良い時間だなと思った。

ライトアップは16:45〜18:00と短い時間だけど、屋外彫刻のいつもとちがった側面を見ることの出来る、興味深い展示だと思う。
遠方にも関わらず、参加させてもらって嬉しいイベントでした。

プライベートで来るなら、ライトアップ用のチケットもあるけど、個人的には普通の入場券がおすすめかな。
お昼すぎに着いて、ピカソ館など場内をすべて回り、お茶の時間を挟んでライトアップを見て帰る…という流れがいちばん満喫できるんじゃないでしょうか。

箱根ナイトミュージアムは2019年の1/6(日)まで。箱根に行く機会があれば、ぜひ立ち寄ってみてください。