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freq / Hardcore Ambience
13年ぶりのナカコー氏
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2018.12.21

facebookで見かけたイベントの告知に「nyantora + duenn」の名前を見付けて、すかさず申し込んだ「freq×HardcoreAmbience」。九州大学芸術工学部の音響設計学科・城研究室が企画した無料の音楽イベントで、キャンパス内にある施設「音響特殊棟」の残響室や無響室などを利用した環境でライブパフォーマンスが行われた。

主催している九大の音響設計学科は「音楽」ではなく「音響」の学科ということで、参加しているアーティストのパフォーマンスは明確なメロディーが無いものばかり。イベントの時間も3時間以上あるし、普段はロックやポップミュージック専門に聴いている僕に楽しめるだろうか…と心配していたけど、それぞれの方向性の違いがはっきりしていて思った以上に興味深いものだった。

特に主催者である城一裕准教授の「サイン波発振器とホワイトノイズ、紙レコードと断片化された音楽を用いた演奏(写真1枚目)」と、松浦知也という人の「音と音楽を生み出すシステムから制作する」パフォーマンス(写真2枚目)が印象に残った。

身体に生理的に響く繰り返す音たちや、見慣れない機材を操作する様子からは少し宗教的な雰囲気も感じられて面白かった。

nyantoraこと中村弘二氏は以前にSUPERCARというバンドをやっていて、僕はSTUDIO COASTでの解散ライブも観に行ったことがあるほどファンだった。あれは何年前だっけ…と検索してみたら、なんと2005年!13年越しに間近で本人を見ることが出来て、手を伸ばせば触れられてしまいそうな距離感に興奮した。

もちろん当の本人にはそんな興奮は伝わらないので、淡々と機材を操作して音を出していた。他のアーティストのときは眠たくなったりするシーンもあったんだけど、このときはその興奮と、無響室という特殊な環境だったというのもあってか、集中して聴き続けることができた。

duennさんは「ダエンレーベル」という、カセットテープを媒体としたレーベルを主催されていて、nyantoraやYOSHIMIなどのアーティストの作品を福岡からリリースしている人で、以前から気になっていた人。この2人の共演を聴くことが出来て嬉しかった。

ナカコー氏の音楽はいくつかの方向性があるから、いつかKoji Nakamura名義の歌も聴いてみたいなと思う。


freqは「その時々の音と音楽の在り方を示すイベント」として、九大の旧中村滋延研究室の学生を主体として毎年開催されてきたイベントだそう。今回は准教授の城さんの他に音響設計学科の学生もアーティストして参加していたけど、音響を学ぶ学生が、純粋な研究と並行してこうしたイベントの運営やパフォーマンスに参加できる環境があるのはとても素晴らしいことだなと思った。

普段はあまり足を運ばないイベントだったので、無料という参加しやすい形で開催してくれた運営の皆さんに感謝です。

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