taromagazine™ / taro misako
We Margiela
We Margiela マルジェラと私たち
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2019.3.16

先日の東京出張のときにBunkamuraで観ようと思ってたんだけどタイミングが合わず、残念…と思っていたら福岡のKBCシネマで時間差で上映されていることを知り、レイトショーに滑り込んだ。

決して表に顔を出さず、インタビューは書面のみで行い、「I=私」ではなく「We=私たち」と答え続け、2009年にファッションの世界から突然姿を消したファッションデザイナー・マルタン・マルジェラのドキュメンタリー映画『We Margiela マルジェラと私たち』。

もちろん本人は登場せず、2017年に亡くなった共同創始者のジェニー・メイレンスを初め、一緒に働いていたデザイナーやモデル、マネージャー、メイクアップアーティストなどへのインタビューと、過去のコレクション映像が少し、現在のスタジオの様子が少しというストイックな内容だった(映画の制作はオランダのスタジオみたい)。

マルジェラ自体は個人的にずっと興味を持ってチェックしてきたブランドで、ショップで手に取ったり美術館で行われた展示を観たり、スタッフの人が着ている白衣に憧れて探したりはしていたけど、服自体は高価なこともあって一着も買ったことがない。それぐらいの予備知識で見たから、関係者の人が語るマルジェラの創作は知らないことも多く、とても刺激的だった(バービー人形の服をそのまま拡大したニットを作ろうとして編み棒が無く、箒の柄で編んだとか、ソックスを縫い合わせて「靴下だけ」の服を作るとか)。
1989年の最初のショーとか、観たことの無かった映像が観られたのも嬉しかったな。

反面、後半になってブランドが成長するに従い、メゾンが空中分解していく様子やマルタンがブランドを去るくだりは関係者のインタビューが中心だから仕方ないんだけどかなり曖昧で、一本の映画としては引きが弱い構成だなと感じた。この辺りはインタビュー以外の映像や音楽の挿入などでもっとドラマチックにできたと思うんだけど、本人が不在だからあまり強く言い切ってしまっても事実とのズレや本人の意図とズレが出てしまいそうだから、仕方なかったんだろうな。

映像的には、ジェニー・メイレンスが話すときは本人の映像が出てこなくて、完全な白バック(マルジェラのブランドカラー)がスクリーンに映し出されるのみというのが、ジェニー=マルジェラという関係性を強調していて印象に残った。


ともあれ、すっかり影響を受けて、この記事を書く前にメルカリでマルタン時代のマルジェラの服が出品されてるんじゃないかな〜(ありました)と探したりしていたら日付が変わりそうになったので慌てて更新。明日はスパイダーバースを観てこようと思います。

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