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LAMUNE ONSEN
[大分/長湯温泉2]藤森照信×南伸坊の『ラムネ温泉館』
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2020.1.22

前回の続き。クアパーク長湯から徒歩圏内にある施設『ラムネ温泉館』へ。長湯温泉のことをinstagramで検索すると、たくさん出てくるこのロゴ。ここに来て知ったのだけど、大好きなゲーム『MOTHER』のネスやジェフを手がけた南伸坊さんのデザインでした。事前にinstagramで見て、妙に印象的だな〜と思ってたけど、納得!

地元の老舗・大丸旅館の外湯『ラムネ温泉館』は以前、福岡の三菱地所アルティアムでも展示をされていた、藤森照信さんの設計です。

入湯料500円を払って中庭へ。焼杉と漆喰によるストライプ状になった白黒の表面に、教会のような三角屋根のシルエット。

屋根の先端にはひょろっと生えた松は、下から水分を吸い上げられる仕組みになっています。

建物のシルエットは直線的だけど、表面に貼り付けられた自然素材による有機的な凹凸が情緒を生んでいて、交互に見ていると見飽きない趣があります。

黄色の葉っぱが絨毯のようになって、これは…『MOTHER3』で印象的だった、お花畑のシーンじゃないか…(妄想)。木々の中に一人で佇んでいる彫刻の名前は辻畑隆子さんによる『オンリーワン』。

肝心の温泉は、32度の冷たいラムネ温泉と42度の炭酸水素塩泉を交互浴するというもの。ラムネ温泉の方は、低温のお湯に文字通り「ラムネ」のような細かい泡が浮かんでいて、体を沈めると全身に細かい泡がびっしりと付くほど。

入浴することにより体内に「バブ」の15倍もの炭酸ガスが吸収され、それが全身の血管を拡張して血流をスムーズにしてくれるそうです。一緒に入った息子はすぐに飽きるかな〜と思ってたのですが、2つの温泉を行ったり来たりするのが楽しかったみたいで、何度も交互浴して、ちょっとした「ととのう」効果も体験することが出来ました。

写真には撮れなかったけど、浴室の空間も土で出来た竈の中に入っているようで見応えがありました。壁に埋め込まれたアコヤ貝による装飾が可愛らしかったな。女性の方は金箔が使われているみたいで、そっちも気になります。

家族湯は「猪」「鹿」「蝶」の3部屋。それぞれに南さんのイラストが描かれています。帰った後にやましんさんに聞いたら、この中のデザインも面白いみたい。満室だったけど見てみたかったな。

休憩室。奥にあるスツールも藤森さんのデザイン。

スケッチも展示されています。

時計は他でも見たことある気がする。既製品かな?この場所にとても合っていました。

グッズもたくさん。ここには写ってないけど、息子がタオルを買ってもらってました。

長湯温泉を使ったミネラルウォーター「マグナ」を使ったコーヒーやサイダーの販売も。普段はお風呂上がりに乳飲料を飲むのが好きなんだけど、ここはやっぱりサイダーでしょう!

サイダーケースの熱で温まっている猫もいました。長湯温泉がある竹田は猫が多いみたいで、竹田駅には「ねこ駅長」が居ることを館内のチラシで知りました。

藤森さんは南伸坊さん、赤瀬川原平さんたちと路上の建築を観察する活動を続ける中で、現在のような独特な建築のスタイルが完成したんだそう。休憩室の壁にはこんな濃いメンツの色紙も飾られていました。

休憩室の奥の階段からギャラリーへ。

このときは東佑樹さんという方の個展が開かれていました。

常設の方は長湯温泉と縁の深い山岳画家・高田力蔵による久住山を描いた作品がメイン。離れてみると写実的だけど、近くで見ると抽象的なタッチ。バンドのPolarisのアートワークを思い出したな。初めて知った方だけど、好きな画風でした。

高田さんによって長湯を訪れた、川端康成の直筆原稿や絵画(!)も。

川端康成はほとんど読んだことがないんだけど、直筆の持つ力のようなものに引き込まれました。意外と丸っこくて隙間が多くて優しい文字だった。

竹田は「荒城の月」のモデルになった城「岡城」の城跡もあり、行ってみたかったんだけど時間が足りず…写真撮りにまた来たいです。


『ラムネ温泉館』、温泉が持つ生命力と生き生きとした建築、のびのびと描かれたイラストの組み合わせがとても健やかで、気持ちのいい場所でした。

近くには格安で滞在できて山岳図書館もある「BBC長湯」という宿もあることを以前、江口宏志さんから教えてもらっていたので、今度行くならそこに泊まって周辺の温泉に入ったり、宿で食事だけ頂いたり…。

福岡から少し遠いのが難だけど、そこさえクリアできればとっても良い場所だったので、機会があればまた行ってみたいと思います。

→ラムネ温泉館公式ホームページ