taromagazine™ / taro misako
CHIYONOEN TEA FARM
お茶の千代乃園

2013年から九州ちくご元気計画の事業の一環として始まった、福岡・八女のお茶農家『千代乃園』さんのブランディング。元気計画が終了した現在も、直接のやり取りでプロジェクトは続いています。
今回は、これまでに制作した千代乃園さんのためのデザインを紹介します。

プロジェクトのはじまり

千代乃園さんは、標高600mの雪ふる山の中でお茶作りを営むお茶農家のご一家。山は夏でも涼しく、冬には雪に覆われます。平地より新茶が芽吹く時期は遅くなりますが、気温の低さから害虫が少ない特徴を活かし、現在は有機栽培への取り組みを行っています。
そんな千代乃園さんの販売経路は、ダイレクトメールを使った昔ながらの通信販売。売れ行きは順調でしたが、年とともにお客さんの高齢化が目立ってきたことで、もっと若い世代にお茶を楽しんでもらえないか…と考えるようになったことが、今回のきっかけでした。

現地訪問・写真撮影

最初に行ったのが、現地への訪問と打ち合わせ、写真撮影。僕自身がカメラを持参し、雪の降る冬と収穫時の初夏、2回に分けて茶畑の様子や園主の原島さんご夫妻を撮影しました。千代乃園さんは規模も小さいですし、初めてのブランディングということで、なるべく予算を抑えるため、また、この時点では撮った写真の使い道も未定だったため、カメラマンに依頼を行わず、デザイナーが撮影を行うスタイルにしました。

ブランドコンセプト提案

何度も打ち合わせを繰り返して、浮かび上がってきたキーワードが「雪ふる山のおそぶき茶」。
山で採れる遅吹きのお茶は平地と収穫時期がずれるため、ネガティブに捉えられることがあるのですが、千代乃園さんとしては遅吹きこそが「旬」です。
それを逆に特徴として売り出すため「おそぶき茶」というフレーズを使い、お客さんに「なんだろう?」と思ってもらうような効果を狙いました。

ロゴ

次に制作したのがロゴのデザイン。昔の屋号に使われる「山」の形に、茶園へと向かう曲がりくねった細道で、千代乃園さんの「ち」の字を描きました。千代乃園さんは減農薬の基準の厳しいEUなど海外への出荷も盛んなため、文字の部分は日本語ではなく英語を使ったロゴを提案しました。
山のシンボルマークが柔らかい形なので、全体的に形が優しくなりすぎないよう、文字は洗練された印象の「Optima」を選びました。ひょうきんだけど上品な印象もあり、農薬を使わない綺麗なお茶を作る、原島さんご夫妻の佇まいもイメージしています。

パッケージ

農薬を使わない、きれいなお茶の雰囲気を感じてもらうため、アルミパックタイプのパッケージに。
お茶缶の無い家庭でも日常の場に置いてもらうため、自立するスタンドタイプを選びました。
最近ではプレミアムティーコンテスト2017金賞受賞、日本茶AWARD2017ファインプロダクト賞受賞など、お茶自体の品質の高さも認められていることから、ロゴは金の箔押しに。デザイン全体としては「これからの日本茶のスタンダードになってほしい」という思いを込めて、シンプルに・オーソドックスにまとめました。


ギフトボックス

贈答用のギフトボックスは、八女のお隣・久留米に伝わる「久留米絣」の生地から、伝統的な「雪」の模様を選び、スキャン。大小2種類の雪柄を使い、茶畑にしんしんと雪が積もる様子をデザインしました。
箱だけでも取っておきたくなるように、蓋だけではなく、底の面にも同じ柄がプリントされています。

リーフレット

通販で注文された方や店頭、イベント会場等で配布するためのリーフレット。雪の「かまくら」をイメージしたアーチ型で写真をトリミングしたデザインです。写真撮影の他、編集・原稿の執筆まで三迫が担当しました。

名刺

名刺はオーソドックスなデザインですが、縦幅を少し縮めて印象に残る形にしたり、文字の色を雪をイメージしたグレーにすること、年配の方にも読みやすい文字サイズにすることなど、細かいこだわりが込められたデザインになっています。

Web

Webサイトオンラインショップの制作も行っています。限られた予算の中でしっかりと情報を伝えるため、ゼロから全てを制作するのではなく、Webデザインのテンプレート(ひな形)を使うことで、コストを抑えました。

まとめ

以上が、2013年から5年間にわたって制作してきた千代乃園さんのデザイン事例です。
大きな予算を使って一気にブランドを立ち上げるのではなく、コンセプトワークから少しずつ制作を始め、デザイナーが全体の方向性やデザインのコンセプトをまとめながら、その時々の必要なものを作り続けている、自分らしい関わり方をさせて頂いているお仕事だと思います。
千代乃園さんとは現在も新しいプロジェクトが進んでいるので、出来上がり次第また報告させて頂きます。

AD,D: Taro Misako
Photo: Taro Misako
Text: Taro Misako
Client: CIHYONOEN TEA FARM

AD,D: 三迫太郎
Photo: 三迫太郎
Text: 三迫太郎
Client: お茶の千代乃園

http://chiyonoen.jp

Year: 2013-
AD,D: Taro Misako
Photo: Taro Misako
Text: Taro Misako
Client: CIHYONOEN TEA FARM

AD,D: 三迫太郎
Photo: 三迫太郎
Text: 三迫太郎
Client: お茶の千代乃園

http://chiyonoen.jp

Year: 2013-