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HAKONE NIGHT MUSEUM
彫刻の森美術館「箱根ナイトミュージアム」

有田の2016/プロジェクトでお世話になったキュレーターの石澤依子さんからのご紹介で、神奈川・箱根の「彫刻の森美術館さんのライトアップ展示「箱根ナイトミュージアム」」のアートディレクション・デザインを担当しました。

この展示は昨年から始まったもので、同美術館の屋外に並ぶ彫刻に、照明や映像を巧みに操って光の可能性に挑んでいるアーティスト・高橋匡太(きょうた)さんがライトアップを行い、来場者が回路の埋め込まれた「提灯」を持って歩いて回ることで、光が変化していくという参加型のイベントです。

ロゴデザイン

女性の目にとまるようなデザインを、というご要望を頂いて、リボンのようなラインを使い「NIGHT MUSEUM」の文字を作りました。筆記体にしてしまうと読みやすさが損なわれてしまうので、ブロック体を使いつつ、「E」の文字だけ小文字にして、リボン的な「流れ」を感じさせる工夫を行っています。また、カーブの部分は細く、それ以外は太くと線に強弱を付け、目の錯覚でカーブの部分にグラデーションが発生し、文字全体が煌めいて見える、といったテクニックも使っています。

日本語のロゴもあった方が展開がしやすいとのことだったので、こちらは簡易的にロゴを制作しました。
既存のフォントの骨格を使い、ところどころに「欠け」をつくることで、英語と同じように煌めきを感じさせるデザインにしました。

メインビジュアル・コピー

メインビジュアルに使用する作品は昨年のナイトミュージアムで撮影された写真の中から、ジュリアーノ・ヴァンジの『偉大なる物語』という彫刻がライトアップされている様子を選びました。ピンクと紫の色が幻想的で綺麗だなと思ったのと、人物というモチーフが人の目にとまりやすいこと、提灯を持ったお客さんが写っていることで、イベントの特徴が伝わりやすいと思ったからです。

また、「光のアーティスト高橋匡太とつくる 参加型ライトアップ」というコピーも提案し、採用して頂きました。下部の基本情報と合わせてロゴのカーブと同じ形に曲げることで、イベントの世界観を表現しています。

キャラクター

ロゴデザイン案の一つに使っていた「提灯」をイメージしたキャラクター。ロゴ自体はボツになったのですが、美術館の皆さんに妙に気に入って頂いて、「ちょうちんちゃん」というキャラクターになりました。チラシの裏や看板などで活躍しています。

B1ポスター

小田急沿線に掲出される大判のポスターです。チラシとポスターで別のビジュアルを作成することもありますが、今回はコストの都合もあり、先にチラシを作り、ほぼそのまま拡大する形で対応しています。
(拡大を想定していないデザインにしていると破綻することもあるので、チラシの段階から気を使ってレイアウトしていました)

中吊りポスター

箱根登山電車の車内に掲出される中吊りポスター。縦型のメインビジュアルが先に決まっていたので、横型に展開するのが難しかったのですが、何とかまとまりました。中吊りを作るのは初めての経験だったので、嬉しいです。

A4チラシ

メインビジュアルを使った、A4チラシ。裏面の情報量をまとめるのに苦労しました。表面は通常のCMYK印刷の、マゼンタを蛍光ピンクにした案も色校正の段階で試してみたのですが、右側の紅葉した木の色が濁ってしまったので断念しました。

その他の配布ツール

左上から:小田急沿線で配布するA4チラシ(別バージョン)、彫刻の森美術館の地図に同封する場内MAP、はがきサイズの招待状、ワークショップ参加者に配布する招待券。

会場看板・サイン類

入り口にはB1サイズのメインビジュアル。ポスターではなく、この場所のために新規にレイアウトしました。

チケット売り場にも、ライトアップの時間帯用の料金表を設置。印刷方法や面積の都合で写真が使えない掲示物は、メインビジュアルのライティングに似せたグラデーションを使い、全体の統一感を出すようにしました。

事前に行われた「ひかりの実」ワークショップの紹介看板。子どもたちが果実袋に笑顔を描き、中に照明を入れて木に飾るという高橋匡太さんの作品。全国各地で開催されていて、公式サイトでその様子を見ることが出来ます。

エスカレーター横の展示紹介看板。

入場するときに配布するガイドマップには、ナイトミュージアム用のマップを挟み込んで配布しています。

入り口からエスカレーターを降りたところの地図の隣にも看板を設置。

各作品の隣には専用のキャプションを作って設置しました。

提灯配布場所の看板もデザイン。夜間なので文字を大きくして視認性を高めました。


この規模の美術展の制作物は福岡市美術館「肉筆浮世絵の世界」展や九州国立博物館「きらめきで飾る」展以来だったのですが、2017年から2人体制になったことで、スムーズに対応することが出来ました。

また、箱根と福岡という距離感でのお仕事でしたが、初回のみ現地の見学やライトアップのテストに立ち会わせて頂き、その後はメールと電話でのやり取りという形は福岡県内のお客さんともよくあるパターンなので(もちろん何度も打ち合わせすることもあります)、特に違和感を感じずに制作を進めることができました。


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箱根ナイトミュージアム
NIGHT AT THE HAKONE OPEN-AIR MUSEUM

2018.12.1sat – 2019.1.6sun
ライトアップ|16:45〜18:00

年中無休/9:00開館
室内展示場と緑陰広場は17:00閉館/入館は17:30まで
場所|彫刻の森美術館 円形広場、本館エリア屋外展示場

光のアーティスト高橋匡太とつくる 参加型ライトアップ

クリスマスへのカウントダウンが始まる季節から新しい年にかけて、屋外展示場と野外彫刻を活かした光のアーティスト・高橋匡太によるライトアップイベントを、昨年に引き続き開催します。ライトアップされる彫刻が増え、来館者がプレイベントで制作した《ひかりの実》などの新しい魅力も加わります。出会う彫刻や風景のライトアップの色に呼応して変化する提灯の光の美しさや、一人ひとりが参加することによって生まれる夜景をぜひ体感してください。

<公式サイト>

AD,D: Taro Misako
Client: THE HAKONE OPEN-AIR MUSEUM

AD,D: 三迫太郎
Client: 彫刻の森美術館

Year: 2018
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Year: 2018