
「TouRou」は、熊本県山鹿市で神事・奉納灯籠として受け継がれてきた、和紙を使った伝統工芸『山鹿灯籠』の技術を使ったモビールです。山鹿灯籠の職人が一つ一つ手作りした和紙のモチーフと、新潟県燕市で作られた金属のフレームを組み合わせ、一般的なモビールのように天井からぶら下げるタイプの「ring」と、家具の上などに設置できるスタンドタイプの「stand」の2種類を販売しています。
このプロジェクトは山鹿灯籠振興会さんからのご依頼で始まり、永田宙郷(EXS Inc.)さんのプロデュースの元、商品のデザインを担当しました。金属フレームのアイデアを永田さんから頂き、中身の和紙モチーフをデザインするにあたり、山鹿灯籠の基本となる「金灯籠(かなとうろう)」の形に注目。金灯籠の制作中に出来る、擬宝珠や六角形といったシンプルな形の美しさを発見し、色や形状を微調整することでモビールに仕上げました。
シンプルな形とカラフルな色がグラフィカルな動きを演出し、和紙と金属の相反する素材感がそれぞれの魅力を引き立る、和・洋の暮らしの両方に調和する商品が生まれました。
完成したTouRouは2017年に青山スパイラルで開催された展示会「ててて見本市」で初めて発表され、GINZA SIX内の「銀座蔦屋書店」、コクヨのコンセプトショップ「THINK OF THINGS」などを中心に、全国各地のショップで販売されています(販売店舗リスト)。
制作にあたっては、商品のデザインのほかにもカタログ・パッケージなどの印刷物のデザイン、撮影ディレクション、会場ブースの企画など、ほぼ全ての場面で動かせて頂きました。