
山口情報芸術センター[YCAM]は今年で15周年を迎え、7/21(土)からはエキソニモがキュレーションを行う展示「メディアアートの輪廻転生」や、メディア・テクノロジーを埋め込んだ子ども向けの遊び場「コロガル公園コモンズ」などの展示が次々に行われます。今回は、15周年事業の概要をコンパクトにまとめ、全国のYCAM関係者や山口市内の全戸に配布するためのフライヤーの制作をご依頼頂きました。
15周年のコンセプトは「グッドセンス」。文豪の芥川龍之介は遺稿となったエッセイ集「侏儒の言葉」において、これを「中庸」と訳したそうです。「中庸とは、一般的には過大や過小といった極端に偏らないことを意味しますが、中庸の実現には極端と極端の狭間で、適切な位置を選び取るセンスや理性が重要なのだ――そうした意図が込められているように思えます。」と、YCAM R&Dディレクターの伊藤隆之さん。
この「中庸としてのグッドセンス」をそのままビジュアル化するのは困難だったので、シンプルな事実である「YCAM15周年」を、YCAMのロゴ、15THの文字、施設のシルエットをイメージした山形のラインと「山口情報芸術センター[YCAM]は15周年を迎えます。」というストレートなメッセージで構成することで表現しました。色はこれまでYCAMが使ってこなかった色ということで蛍光イエローを使っています。
YCAMさんとは5年前にも坂本龍一さんがディレクターを務めた「YCAM10周年記念祭」のポータルサイトを制作しました。5年が経ってWebから印刷物へとメディアは変わりましたが、ご依頼を頂けて嬉しいです。